決済テクノロジー大手Squareは、グローバルPOS端末でBitcoin(BTC)決済に対応したと発表しました。暗号資産が実店舗において大規模かつ標準的に導入される初の事例です。アメリカ、日本、イギリス、フランスなど8カ国で展開され、400万超の加盟店がBTC決済を受け付け可能となりました。コーヒーやランチ、本など、顧客はスマートフォンでコードをスキャンするだけで即座に支払えます。

(出典:Square)
Squareのシステムは法定通貨への自動変換機能も備え、ユーザーは資金の受取方法や支払い手段を柔軟に選択できます。これにより業務効率化、コスト削減、取引迅速化が実現します。
Bitcoinの取引遅延や高手数料という課題に対し、SquareはLayer 2のLightning Networkを導入。Lightningにより取引はほぼ即時に完了し、メインネットでの承認待ちも不要となります。
Squareは2027年まで取引手数料をゼロとし、その後も手数料は1%のみ。一般的なクレジットカードの1.5%~4%よりも大幅に低水準です。これにより加盟店のコスト負担が軽減し、Bitcoin取引は承認後に取消不可となるため、カードのチャージバックリスクも実質排除されます。
今回のアップデートでは、加盟店規模に応じて選べる3つの柔軟な決済オプションが加わりました:
これらの選択肢により、加盟店はリターンとリスクのバランスを取りつつ、段階的に暗号資産決済へ移行できます。
SquareのBitcoin決済機能は現在8カ国で利用可能ですが、規制相違によりニューヨーク州など一部地域では未導入です。Squareは今後も各国の規制当局と連携し、加盟店向け税務・コンプライアンス教育プログラムを提供します。
また、オンライン決済、サブスクリプション請求、インボイス機能もテスト中で、近日中に展開予定。加盟店向け包括的な暗号資産決済エコシステムが構築されます。
発表後、数多くの小売店や飲食店が新サービスの試験導入を開始。Zapriteビジネス責任者のParker Lewis氏は、テキサスのカフェで機能をテストし、取引の速さやスムーズな体験を報告しました。

(出典:ryanfinlay)
初期ユーザーの多くがSNSで体験を共有し、暗号資産が日常生活に統合される画期的な出来事だと高く評価しています。
SquareのBitcoin決済ソリューションは、グローバル決済の在り方を根本から変革します。Lightning Networkとゼロ手数料戦略により、Squareは従来型商取引と暗号資産金融の融合を促進し、企業と消費者双方に柔軟な取引環境を提供。規制や消費者習慣の変化には時間を要しますが、今回の導入はBitcoinが投資資産から実用的な決済手段へ進化する流れを加速させています。創業者Jack Dorsey氏にとっても、これは製品アップグレードにとどまらず、金融の未来を再定義する重要な一歩です。





