ICP ( Internet Computer Protocol) の主なイノベーションの一つには、

CANNISTER SMART CONTRACTS ( FULL-STACK DECENTRALIZATION) があります。

～ Canister Smart Contractは、Internet Computer Protocol上での計算やデータに関する非常に重要な基盤または要素です。

これは、スマートコントラクトを小規模なトランザクションや単なる小さなコードの断片から、ウェブ規模のソフトウェアコンテナ(（大容量データストレージ)）に進化させ、完全にブロックチェーン上で実行できるように設計されています。

Canisterは単なるコードではなく、2つの重要な要素を含む計算ユニットです。

まず一つ目は

• コード：つまり、WeAssembly (Wasm) であり、アプリケーションロジックを含む部分です。Wasmはサポートを提供し、開発者がRust、Typescript、そしてmotoko(（ICP固有のプログラミング言語、またはネイティブ言語）などの有名なプログラミング言語でコードを書くことを可能にします。

次に

• ステート )Data(：つまりアプリケーションのメモリとデータストレージです。ここにアプリケーションの全情報が保存され、ネットワークによって自動的かつ安全に、) Orthogonal Persistence( と呼ばれる仕組みで保存されます。

つまり、Web2のクラウドコンピューティングのバンドルやコンテナに似ていますが、分散型ネットワーク（パブリックブロックチェーン）上で動作します。

Canisterは、フロントエンド、バックエンド、データなど、ウェブアプリケーションの全スタックをホスティングおよび提供する能力があり、すべてが完全にオンチェーンです。

では、従来のブロックチェーンアプリ )Web3( の4つの主要なコンポーネントが、ICP Cannister Appの上でどのように動作し、変化するかを見てみましょう。

まず一つ目は

• バックエンドロジック：従来は直接スマートコントラクト )EVM( 上で動作しますが、ICP Cannister AppではCanister )Wasm( 内で動作します。

次に

• データストレージ：従来のブロックチェーンアプリ )Web3 ( の多くは、)AWS、Azure、Cloudflare( などの中央集権型データベースに依存し、非常にコストがかかります。しかし、ICP Cannister Appでは、Canisterのメモリ内で動作し、より低コストです。

次に

• フロントエンド/UI：これもまた、) Netlify、Vercel( などの中央集権型クラウドサービスや、)IPFS/Filecoin( などの分散型ストレージでホスティングされることが一般的です。しかし、ICP Cannister Appでは、Canisterから )HTML、CSS、JavaScript( を直接提供します。

最後に

• ユーザーアクセス：従来のブロックチェーンアプリでは、InfuraやAlchemyなどの中央集権型ゲートウェイやノードプロバイダーが必要です。
しかし、ICP Cannister Appでは、ICP Gatewayを介してURLから直接アクセスできます。つまり、通常のウェブサイトのようにアクセスできます。

フロントエンドをオンチェーンで実行するメリット

最近、Cloudflareの障害などで多くのサービスが停止したことがありました。

しかし、もしフロントエンドが中央集権型クラウドではなくオンチェーンで提供されていれば、

次のような利点があります：

• エンドツーエンドの信頼性：フロントエンド（つまり私たちがブラウザで目にするユーザーインターフェース）は、バックエンドロジックを処理するのと同じ分散型スマートコントラクトから直接提供されるため、アプリケーション全体が改ざん不可能かつ止められないものとなります。単一障害点 )SPOF( がなくなります。

• クラウドプロバイダーの排除：開発者はAWS、Google Cloud、Cloudflareなどや、)Content Delivery Networks( などの従来のCDNに依存してアプリケーションの一部をホスティングする必要がなくなります。
• ウェブスピード：CanisterがHTTPリクエストを直接処理し、コンテンツを提供するため、読み取りコールにおいてミリ秒単位の低遅延でWeb2と同等の体験を提供できます。

もしすべての従来のブロックチェーンアプリが全ての処理を完全に分散型の仕組みで、Web2のクラウドサービスに頼らずに実行されていたなら、これらのクラウドプラットフォームが全て停止しても、ブロックチェーンアプリには何の影響もありません。

つまり、Canister Smart Contractsの仕組みこそがInternet Computerを分散型台帳から分散型クラウドプラットフォームへと進化させ、あらゆるモダンアプリケーションを事実上稼働できる能力・キャパシティを持たせているのです。