StripeとParadigmが提携して決済チェーンTempoを構築：ステーブルコイン分野に新たな競争者

決済大手Stripeが暗号資産VCのParadigmと手を組み、密かに大きな動きを進めています——「Tempo」と名付けられた新しいLayer-1ブロックチェーンを開発中で、特にステーブルコインと決済シーンに特化した設計です。このチェーンはすでに5億ドルのシリーズA資金調達を終え、評価額は50億ドル。現在はプライベートテストネットで稼働しています。

なぜStripeは独自チェーンを作るのか？

ステーブルコイン市場はすでに離陸しています。オンチェーンのステーブルコイン時価総額は3,000億ドルを突破し、米国財務長官Scott Bessentでさえ2兆ドルの時価総額が妥当だと考えています。今年7月にGENIUS Actが成立し、ステーブルコインは政策面でも認められ、機関投資家の資金が続々と流入しています。

既存のパブリックチェーンは万能型——DeFi、NFT、ゲームなど何でも対応。しかし、Stripeは15年の決済経験を持ち、本物の決済に必要なものを熟知しています：低コスト、高速決済、コンプライアンス対応。だからイーサリアムやSolanaで苦労するより、専用チェーンを作る方が理にかなっています。

Tempoのハードコアな指標は？

パフォーマンス：スループットは10万TPS超で、イーサリアム(21.8 TPS)やSolana(1344 TPS)よりはるかに高速。ハイフリークエンシーな決済シーンに最適。

手数料モデル：革新的なのは、ユーザーが任意のステーブルコイン(USDC、USDTなど)でGas代を支払えること。ネイティブトークンを持つ必要がなく、リテールユーザーにも非常に親切。

決済機能：バルク送金やメモ欄など企業向け機能が標準搭載。さらにオプションでプライバシー保護(プライバシーとコンプライアンス両立)も提供。

EVM互換：開発者エコシステムがシームレスに移行可能。MetaMaskやPhantomなど主要ウォレットもすでにサポートを表明。

大物たちが参加

OpenAI、Shopify、Visaなど世界トップ企業が設計に関わっており、単なる技術実験ではなく、リアルな商用ニーズに直結した取り組みであることがわかります。Stripeが買収したステーブルコイン基盤Bridgeやウォレット基盤Privyもインフラパートナーです。

9月には、イーサリアム開発者のDankrad Feist氏もTempoに加わり、その技術的野心の大きさがうかがえます。

今後の注目ポイント

現在はプライベートテストネット段階ですが、今後はオープンでパーミッションレスなネットワークへと進化し、誰でもバリデーターとして参加できるようになる予定です。国際送金、リミッタンス、サプライチェーンファイナンスなど実際のユースケースもすでにテスト中。

ステーブルコインの競争はついに「大手企業時代」に突入——Stripeのような決済インフラ大手が本格参入すれば、エコシステム全体の勢力図が一変することは間違いありません。