DePINは本当に離陸するのか？320億ドル規模の分野で注目すべき買い場のプロジェクトは何か

Question

最近DePIN（分散型物理インフラストラクチャ）が大きな話題になっています。個人投資家だけでなく、VanEckのような大手機関も2024年の暗号分野のコアテーマに位置付けています。

データがすごい：11月時点でDePIN全体の時価総額は320億ドル超、24時間取引量は約30億ドル。Borderless Capitalは1億ドルを投じてDePIN Fund IIIを設立、グローバル展開を目指しています。市場予測では2028年に3.5兆ドルまで成長する見込みで、成長率も抜群です。

DePINは結局何をしているのか？

簡単に言うと、従来のインフラ（エネルギーネットワーク、無線ネットワーク、ストレージなど）をブロックチェーン上に移し、世界中の参加者に分散して展開します。ユーザーは自分のハードウェアリソース（余剰GPU、帯域、ストレージなど）を提供し、トークンで報酬を得ます。メリットは、単一障害点がなく、コストが低く、カバー範囲が広いことです。

市場の主要プロジェクトは何をしているのか

ICP（インターネットコンピュータ）：過去1年で121%上昇、時価総額43億ドル。2025年にAI機能やクロスチェーン相互運用性を深く統合する計画で、ロードマップも明確です。

Bittensor（TAO）：AI+ブロックチェーンのアプローチで、過去1年で152%上昇、時価総額38億ドル。昨年はスマートプルーフと分散型エキスパートモデルを統合、2025年はさらなるエコシステム拡大を目指しています。

Render：イーサリアムからSolanaへ移行し、過去1年で150%以上上昇。分散型GPUリソースで3Dレンダリングを提供し、クリエイティブコミュニティで人気です。

Filecoin：分散型ストレージのトップですが、この1年は価格がほぼ動かず、逆に11.47ドルから下落。ただしFVM（Filecoin Virtual Machine）の登場で新たな期待もあり、TVLは2億ドルを突破。

Helium：無線ネットワークのプロジェクトで、現在はSolana上で展開。昨年は190%上昇、時価総額約10億ドル、35.5万件のMobileサブスクリプションを達成。

Arweave：永久保存ストレージのコンセプトで、過去1年で171%上昇、時価総額12.4億ドル。2.8プロトコルにアップグレードし、効率とエネルギー効率が向上。

Theta：動画ストリーミング+帯域共有で、過去1年で76%上昇。EdgeCloudが新たなストーリーで、グローバルなコンピューティンググリッド構築を計画。

その他：Grass Network（AIトレーニングデータ+余剰帯域、200%以上上昇）、IoTeX（IoT専門、90%上昇）、The Graph（データインデックス層、67%上昇）、JasmyCoin（IoTデータ主権、366%上昇だがボラ高）。

なぜ今DePINに注目すべきか

市場はまだ初期段階：320億ドルの時価総額は従来インフラに比べればごくわずか
機関投資家が参入：VanEckやBorderless Capitalなど大手も参入
実際のユースケースが進行中：投機だけでなく、エネルギー、IoT、ストレージで本当に使われている
トークン経済設計が成熟：インセンティブ設計が合理的になり、プロジェクト運営も洗練

ただし注意点も

技術的難易度が高い：物理インフラとブロックチェーンの融合は簡単ではない
規制が模索段階：各国の法規制がまだ統一されていない
伝統産業の受け入れが低い：分散型が本当に中央集権型より優れていることを証明する必要

結論

DePINは新しい概念ではありませんが、資本集約度と市場認知度から見て2024-2025年はゴールデンウィンドウです。投資するなら、ICP、Bittensor、Renderのように2025年のロードマップが明確なものを中心に、高値掴みは避けましょう。大事なのは流行に乗るよりも、しっかりリサーチすることです。