APRとAPY：仮想通貨リターンに本当に重要なのはどちらか？

ステーキング報酬やレンディング利率を比較しようとしていませんか？APRとAPYという用語を目にしたことがあるでしょうが、この2つは同じではありません――そしてその違いがあなたの利益に大きく影響します。

基本的な違い

APR (年利率（Annual Percentage Rate）) = シンプルな計算。基準利率を12ヶ月分掛けるだけ。複利は考慮されません。

APY (実質年利回り（Annual Percentage Yield）) = 実際の数字。複利効果を含みます――つまり、得た利益にもさらに利益が付きます。

具体例を挙げましょう：

• $1,000を8% APRで毎月複利運用
• APR表示：$80 の利益
• 実際のAPYは：$83 の利益 (8.3% APY)

この3%の差は最初は大したことがないように思えますが、年数や大きな金額で複利を考えると？大きな違いになります。

それぞれが重要になる場面

APRを使う場合：

• 単利のローン (一度きりの支払い、再投資なし)
• 複利でないステーキングプラン
• 手早くざっくり比較したいとき

APYを使う場合：

• 報酬が自動で再投資されるDeFiファーミング
• 頻繁に報酬が支払われるレンディングプラットフォーム
• 「現実的」なリターンを謳う暗号資産プロダクト
• 2つのオファーを公平に比較するとき

計算式の裏側

APYの公式：APY = (1 + r/n)^(n*t) - 1

ここで：

• r = 年利率
• n = 1年あたりの複利回数
• t = 年数

実際の例： 2つのプラットフォームが6%の「リターン」を提供

• プラットフォームA：毎月複利 → 6.17% APY
• プラットフォームB：四半期ごと複利 → 6.14% APY

複利回数が多いほど、実際のリターンは高くなります。

注意点

1. 高いAPR＝良いとは限らない：怪しいプラットフォームは高APRでリスクを隠すことがあります。持続性を確認しましょう。
2. APYも誤解を招くことがある：プラットフォームが損失を出していれば、複利があってもそのAPYは一時的なものです。
3. 実際の仕組みを必ず確認すること：支払い頻度は？いつでも引き出せる？手数料は？

クリプト利回りを評価するためのクイックチェックリスト

• どちらの指標が使われているかを見抜く (APRかAPYか？)
• APRしか表示されていなければAPYを自分で計算
• 同じ指標でプラットフォームを比較
• ガス代、ロックアップ期間、出金コストを考慮
• 「美味しすぎる話」には注意

結論： クリプトリターンを評価する場合、APYのほうがAPRよりもほぼ常に正直な指標です。ただし、不安定なプラットフォームの「正直な数字」も、結局は楽観的なフィクションに過ぎません。必ずリサーチをしましょう。