市場は常に波動を利用して欲張りと恐怖に対処している。今日のV字反発はその最良の証拠だ。

正午、日本銀行の一手がついに決まった——やはり利上げ25ベーシスポイント、金利は0.75%に上昇し、30年ぶりの高水準となった。しかし、これが面白いところだ。市場は慌てるどころか、むしろ安堵感を覚え、見事なV字回復を見せた。

今朝、ビットコインは一時84,418ドルまで下落し、イーサリアムはさらに厳しく、2,773ドルまで落ちた。ところが、ニュースが確認されると、買い注文が潮のように押し寄せ、イーサリアムは一気に2,983ドルまで反発し、あと少しで3,000ドルの節目を突破しそうだ。

**なぜ利上げが逆に好材料になるのか？**

一般的には、中央銀行の利上げは流動性の引き締めを意味し、暗号資産市場にはネガティブと考えられる。しかし、今日の状況はまったく逆だ。よく考えてみると、市場が本当に恐れているのは悪いニュースそのものではなく、不確実性だ。今回の日本銀行の利上げは、トレーダーたちも予想済みで、すでに織り込み済みだった。実際に決定が下されると、逆にその不安感が解放され、"ネガティブはすべて出尽くした"という典型的な好材料となった。

2024年8月の例を挙げると、その時は日本銀行が突然の方向転換を行い、日経平均は12.4%も急落した。ビットコインも被害を受け、16%以上の下落を記録した。しかし、今回は全てのパターンが予想内で、市場の心理も安定し、パニック的な売り崩しは見られなかった。

暗号市場への最も直接的な衝撃は、キャリートレードの決済から来るものだ。円の金利が低いため、世界中のファンドは円を借りてドルやユーロに換え、高利回りの資産に投資している。日本が利上げを始めると、この金融レバレッジは緩む必要があり、キャリートレードのポジションは解消される。そうなると逆に資金が流入し、暗号資産の価格を押し上げることになる。