シリコンバレーの起業家David Sacksがトランプ政権でAI・暗号通貨を統括へ

2024年12月、アメリカの次期大統領トランプ氏は、シリコンバレーの重鎮David O. Sacksをホワイトハウスの人工知能・仮想通貨担当長官に任命することを発表した。この人事は、テクノロジー業界と暗号資産コミュニティから大きな注目を集めている。David Sacksの起業家としての実績と、加密通貨産業への深い関与が、この重要な役職への登用につながった。

四半世紀にわたるシリコンバレーでの輝かしい実績

David O. Sacksの経歴は、アメリカンドリームの体現そのものである。過去25年間、彼はシリコンバレーで最も象徴的な企業のいくつかを設立し、投資を行ってきた傑出した起業家・投資家だ。

彼のキャリアの出発点はPayPalである。PayPalの初期段階で最高執行責任者(COO)として手腕を揮った彼は、後に「PayPalマフィア」と呼ばれる伝説的なグループの一員となった。PayPal出身者たちは、その後のシリコンバレーの発展を大きく牽引することになったのだ。

PayPal以後、Sacksはエンタープライズソフトウェア企業Yammerを創業し、これをMicrosoftに12億ドルで売却することに成功した。その後、サンフランシスコにベンチャーキャピタル会社Craft Venturesを設立し、B2B ソフトウェア分野での投資を本格化させる。

Craft Venturesの成長は目覚ましい。第1号ファンドでは3億5000万ドルを調達し、2019年10月には第2号ファンドで5億ドルの約束資本を確保した。さらに2023年11月には、第4号ファンドと成長ファンドを通じて13億ドルを調達するまでに至っている。

現在、Sacksはテクノロジー業界の影響力あるポッドキャスト「All-In Podcast」の共同司会者としても活動。経済、政治、社会問題について深い議論を重ねている。トランプ政権は、こうした豊富なビジネス経験と業界への深い知見を持つSacksを、AI と仮想通貨分野の政策推進に適任と判断したのだ。

2017年から一貫して続く暗号資産への確かな信念

David Sacksの仮想通貨への関心は、決して最近のものではない。むしろ業界の初期段階から、彼は暗号資産の本質と可能性を正確に理解していた。

2017年、Sacksは CNBC のインタビューで、PayPalの初期ビジョンを振り返る重要な発言を行った。PayPal設立当初、彼らは「新しい世界通貨」を創出することを目指していたという。しかし当時、その目標は技術的制約もあり実現できなかった。

その後、ビットコインと暗号資産の登場により、このPayPalの夢が新たな形で実現される可能性が見えてきた。Sacksは、ビットコインが「インターネット・オブ・マネー」とも呼ばれる分散型ネットワークを構築していることに着目した。PayPalが集中型の方法で目指したことを、ブロックチェーン技術と暗号経済学を組み合わせて分散型で実現しようとしている—それが暗号資産の革新性だと彼は理解していたのだ。

当時のインタビューで、Sacksは「暗号化と経済的インセンティブを組み合わせた新しいタイプのネットワークの誕生に立ち会っているような気がする」と語っている。さらに彼は、暗号資産が直面していた3つの主要課題—スケーラビリティ、実装段階の浅さ、監督—を冷徹に分析。同時に、価値保存、決済、クラウドファンディング、ID管理など、多くの有望なユースケースがあることも指摘していた。

当時から彼の関心は、ICOと証券規制の調整にも向けられていた。Sacksは、SECが「プロトコルコイン」(ブロックチェーンの実装に必須であり、有価証券とはみなされるべきではないもの)と「アセットコイン」(伝統的な資産トークン)を区別できるようになることへの希望を表明していた。

Craft Venturesを通じた暗号資産投資の戦略的展開

Craft Venturesの投資ポートフォリオには、後にアメリカの代表的テクノロジー企業となったAirbnb、Meta、Reddit、Slackなどが含まれている。同時に、Sacksは暗号資産分野への投資にも積極的に関与してきた。

2018年、Sacksは分散型取引所プロトコル0xのアドバイザリーボードに参加。同年には、デジタル証券プラットフォームHarborとのパートナーシップを確立した。Harborはブロックチェーン技術を活用し、コンプライアンスに適合した資金調達と資産の流動性向上を目指すプロジェクトだった。後年、Harborは資産管理企業BitGoに買収され、その技術基盤が継承されている。

同様に、DeFi分野ではSet Protocolのシードラウンド資金調達を主導。また暗号ベンチャーキャピタルのMulticoinへの投資も発表し、Solana のような次世代ブロックチェーン・プロジェクトへの間接投資も推進してきた。2024年には、Multicoinとともにブロックチェーン基盤の地図ネットワークHivemapperへの共同投資にも参加。Web3対応のエンターテイメント企業への投資も手がけている。

Solanへの長期的な投資判断から見えるDavid Sacksの市場眼

暗号資産投資における Sacks の最も注目すべき判断の一つが、Solana への投資である。彼は、Multicoin との関係を通じて Solana の初期段階から支援を続けてきた。Multicoin が2019年7月に Solana への2000万ドルの資金調達ラウンドを主導した際、その背景には Sacks らの戦略的な支持があった。

興味深いことに、2023年のFTX破綻によるセクター全体の混乱局面でも、Sacks は Solana の売却を行わなかった。翌年の発言では、「自分が Solana トークンを売却したという批判は、今年受けた最も愚かな攻撃の一つだ」と述べている。これは彼の投資哲学の一貫性を示すものだ。

All-In Podcast での議論でも、Sacks は Solana の長期的な展望に関して肯定的な見解を示してきた。シリコンバレーの多くのエリートが Solana に高い期待を寄せており、最終的には Ethereum を超える可能性もあると述べている。たとえそのビジョンが完全には実現されなかったとしても、Solana が暗号資産業界で第3位にランクインする十分な可能性を秘めていると彼は考えているのだ。

政治活動と業界への影響力

Sacksの影響力はビジネスの領域に留まらない。Bloomberg によれば、彼はテクノロジー業界の寄付者からの資金集めにおいてトランプ氏の重要なサポーターとなってきた。次期副大統領となる JD Vance とも深い関係を持つなど、政治層への影響力も大きい。

PayPal 時代の同僚であった Elon Musk との関係も継続していた。2024年4月には、両者は反バイデンをテーマにした億万長者向けディナーを共催するなど、政治・ビジネス両面での協力体制が築かれている。

David O. Sacks のトランプ政権への登用は、シリコンバレーの実務的リーダーが政策決定の中枢に近づくことの象徴である。AI と暗号資産は、次世代のデジタル経済を形作る最重要分野だ。彼の起業家精神と市場への深い理解が、これらの分野でアメリカの競争力をいかに向上させるか、業界の注視が集まっている。

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